中国の海洋進出ー海自佐世保地方総監の話から | 福岡県議会議員 古川忠後援会事務所 オフィシャルサイト

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中国の海洋進出ー海自佐世保地方総監の話から

「中国の強引なまでの海洋進出に、日本はどう対処すべきか」-5日、議会内で開かた福岡県議会の防衛議員連盟主催による講演会で、講師の海上自衛隊佐世保地方総監の吉田正紀海将が、尖閣列島問題などについて語った一部をご紹介します。

海上自衛隊は陸上と違い、いわいる基地が限られており、その活動はあまり目に見えませんが、佐世保基地は、朝鮮半島、中国と接する海の国境の最前線。また、沖縄の西、東、南シナ海を守備範囲とする日本の防衛にとって今最も緊張した役割を負っています。
その最高責任者の話だけに、穏やかな話ぶりの中にも、一種の緊迫感を感じさせるお話でした。
中国は今、急速に海軍力を強化していますが、それは、大陸国家であった中国が海洋に向けてその利権と版図を広げようという、いわば悲願です。
その具体的目的は1、海洋利権の確保2、戦略的な意義3、21世紀を海洋の世紀と位置づけての世界における地位の確保ーの三つ。すでに南シナ海の島においては、まず領有権を主張し、次に中国人が移住。そして島民を追い出して、最後には、施設を造り、実効支配を始めています。主張ー移行ー実効支配の三段構えなのです。
もう一つ、中国の戦略は、1、世論戦2、心理戦3、法律戦で、これを各軍部では教科書として既にあらゆる戦略のシュミレーションを行っている。言い換えれば、今すでに領土をめぐる”戦争”は始まっているということです。
しからば、日本はそれにどう対処すべきなのか?
先般、日本のへりと艦船が、中国海軍の攻撃ミサイルに標的にされ、ロックオンという発射寸前という威嚇を受けました。
吉田海将は、この時もし日本がこれに反撃していたら、中国は「日本が武力を行使した。軍国主義の復活だ」と、世界に喧伝して回るだろうというのです。
それでは、ただ黙って見過ごしていいのか?
戦争はなんとしても回避しなければなりません。そのためには、絶対に日本の領土国益は守るという意思を明確に示すこと。いわいるプレゼンスを高めておくことが重要だとの指摘です。「グレーゾーンの中での有事発生の抑止」。まさに日本のおかれた微妙な立場の中での大変意味深い指摘です。
一般には、有事即応とよく言われますが、いや現在は「平時即応、日常戦場」なのですという言葉に、佐世保基地、そして海上自衛隊の厳しく緊迫した現実を肌で感じました。
ご講演に心から感謝いたします。

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