再び教育の原点から | 福岡県議会議員 古川忠後援会事務所 オフィシャルサイト

コラム

再び教育の原点から

 本質的問題とはなにか・・  昨年来の豪雪被害、耐震偽装問題が連日のように報じられる中、時代の寵児の如くもてはやされたホリエモンのライブドアに対する強制捜査のニュースが飛び込んできた。同じ日、十七年前に起こった連続少女誘拐事件の宮崎勤被告に対する最高裁判決が下された。この日、またテレビでは耐震偽装問題の主役と目されるマンション販売会社社長の証人喚問が延々と続いていた。

             ◇                  ◇

 豪雪の東北北陸地方。雪に閉ざされた暗い家の中で暮らす老夫婦の映像を見て心痛めながらも、昔はこれに近いくらいの雪は毎年降っていたのではないかと、ふと思った。ましてや道路も今ほど整備されていない時に、大したニュースにもならなかったのは何故だろう?雪国の厳しさも知らずに・・との誹りを覚悟で言うと、被害を大きくしているのは案外何十年に一度の雪ではなく人間の生活そのものではないかと思うのである。昔は恐らく一家に若夫婦や子供達が同居していて雪下ろしも随時出来ていたのだろう。あるいは隣近所が協力しながら、村を、お年寄りを守っていたのではないか。たとえ灯油が切れても薪の備えはあったろう。食料の備蓄の知恵も生きていたに違いない。誰もが好んで村を出たとは思わない。生活の為やむを得ず出た人も多かろう。ただ問題は、村をどんどん棄てなければならない社会の仕組みを放置し、キラキラした都会にのみ吸い寄せる価値観を無節操に広げてきたことである。

             ◇                  ◇

 宮崎事件だが、これも又昔を振り返りたい。十七年前、小学児童を誘拐し、まるで使い飽きたオモチャを捨てるように簡単に殺害するという事件は、正に特異な事件として世の中に衝撃を与えた。しかし昨年来頻発している子供への誘拐や殺人事件は、もはや特異ではなく、何時でも起こりうる事件になった。開かれるべき学校は閉ざされ、P.T.A.や地域による監視が強化され、学校への送り迎えを売りにする私学まで登場してきた。あの当時、マスコミは大いに騒ぎ立て、何人もの評論家や教育者が様々に評論を加えたが、こんな社会にしない為の取組は誰がどう具体的にしてきたのだろう。教育の最も大切なところ、人の生き方を本当に真剣に教えてきたのか?鑑となるべき大人がそのことを強く意識して生きてみせただろうか?

             ◇                  ◇

 豪雪被害と宮崎事件。一見関係ないように見える事柄も、次第に変わり果てていく何かが共通している様に思えてならないのである。益々無責任で浮ついていく政治やマスコミ。ホリエモンも耐震偽装も今の日本の姿そのものである。

 六本木ヒルズに憧れるもよかろう。だが、土をひたすら耕すことも、愚直に誠意を貫くこともまた立派な価値であり、生き方である。古いの固いの何と言われようと、今年もまた、教育の原点から出発しなくてはならぬようである。

                               (平成18年2月)

古川 忠

コメントを残す