ほっとけない!! | 福岡県議会議員 古川忠後援会事務所 オフィシャルサイト

コラム

ほっとけない!!

 「自分の持っている大切なものを手放してお金に代えても、そのお金は価値をきちんと保全し、次に必要なものを手に入れる時に役立ってくれるでしょう」。日銀の福井俊彦総裁が、昨年7月の経済教育サミットで、こう述べたそうである。いかにも日本の金庫を預かるトップらしい考えと、普通なら見過ごしたのだろうが、これを紹介した毎日新聞夕刊の記事を読んだ日の午前、私はたまたま或る公民館の時事講座で年金の話をしたばかりだった。もうすっかり忘れかけていたのだが、福井氏が、例の村上ファンドへの出資で一儲けしたこと。なんと年間七百万円以上もの年金を手にしていることなどを想い出して、年金や医療問題を不安そうな面持ちで真剣に聴いてくれていたお年よりの顔が改めて目に浮かんだ。

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 株や円相場までも操れる日銀総裁の、インサイダーまがいの株取引は勿論、論外のこと。多額の年金は、「経歴と能力に見合う当然の対価だ」とでもいうのであろう。たとえそうだとしても、国民みんなの老後の生活をできるだけ等しく守る年金の趣旨に照らせば、月々7、8万円の年金で暮らしている人との格差は異常である。この春から健康保険料や市民税が大幅にアップして、特に高齢者など弱者を直撃した。健康保険料を払えない世帯は全国で470万にも達するという。福岡市では保険料未納で、急遽資格証明を交付したのが18000件にも及んでいる。為政者よ、制度に従って貰っているだけだと、開き直るなかれ。この異常さに気づく感覚さえ無くしたのか。むしろこの異常を正すことこそトップリーダーの責任の一つではないのか。人の噂も七十五日、そのまま総裁の地位に在り続けている神経に元々あきれてはいたのだが、つつましやかな生活のなかで、少しでも地域の活動に参加しようと、公民館の講座に来てくれた人たちに会った直後だけに改めて怒りがこみあげてきたのである。

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 福井氏が金のために手放した大切なものが何かは知らぬが、ここまであからさまに言われると改めて「お金が全ての世の中か」と言いたくなるではないか。努力や才覚でそれなりの富や名声を得るのを否定するつもりは毛頭ない。しかしながら、そんじょそこらの成金ならまだしも日本の経済界のトップの言と行動となると、日本の品格を貶めているのは、他でもないこれら今のリーダー達ではないだろうか、と思うのである。金の為に捨てたものは、自然であったり、心であったり、時には命であったりもする。金が全ての世の中だけは御免蒙りたい。無論、政治が金の為であってはならないのは当然のことである。

                             (平成18年12月)

古川 忠

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